やくしま果鈴 自社農園 たんかん

ブログ担当の廣瀬です。

屋久島に移住をしてから、たんかんがとても身近なものになりました。

たんかんという柑橘の果物があると知ったのは、石垣島で飲んだ缶ジュースが最初でした。
そこでもあまり印象が残らなかったんですけど、屋久島に住んでから一年を通してこの島に居ると二月頃から三月頃は島全体がたんかん一色です。
それは、色や形、大きさが良い物は売り物となり出荷されますが、見た目があまり良くないものは、自分たちで食べたり、知り合いに渡したり、無人市に並んだりと沢山出回るからです。どこを見てもたんかんです。
そのまま凍らせたり、絞ってジュースにするのも良いですね、凍らせておけばいつでも飲めます。屋久島は亜熱帯の気候なので、そりゃあ夏は暑いものです。家に人が来た時などは、その冷たいジュースをふるまったり、外に遊びに行く時はおやつに冷凍たんかんを持っていくんですよ。夏の初めに冷凍庫からたんかんがなくなると、寂しく感じるものです。次の二月までおあずけですからね。

やくしま果鈴 たんかんジュース熟

それともう一つ、屋久島は観光の方が春から秋に多くいらっしゃいます。なので、多くの観光業の人たちは暖かい時期は本業メインですが、二月になるとたんかんちぎりやそれに関わる仕事をする人が親戚や友達に必ずいます。だから、たんかんがより身近に感じるのかもしれません。

なんでこんなにたんかんの知名度が低いのだろう、と思って調べてみると、たんかんの日本の主な生産地は、約7割が鹿児島県、約3割が沖縄県(2015農林水産省統計)で他の柑橘類と比べてみるとまず、生産地域がかなり南に偏っています。
生産量は約3200㌧ですが、これは他の知名度の高い柑橘達と比べると少ないです。例えば、デコポン(42000㌧)やはっさく(36000㌧)、伊予柑(36700㌧)などがありますが、それでもたんかん生産量の10倍はあります。
そして、なんといっても「こたつでみかん」の代名詞である温州みかんの生産量は874,700㌧でした。温州みかん以外の柑橘系の合計生産量が343,050㌧なので温州みかん以外の全てを合わせてもずば抜けていました。全国に出回るわけです。

やくしま果鈴 フルーツバター

この島に来て、旬の生のたんかんを初めて食べた時はびっくりしました。

果汁もたっぷり、そして中の皮が薄いから食べやすいし、何より味がとっても濃いので、本当に美味しいんですよね。
このたんかんの丸い形は、ポンカンとネーブルオレンジが親だと言われているそうです。
丸くてずっしりと重みのある、旬のたんかんを食べられる時期は短いので島外の方に知ってもらうのは中々難しい所ではありますが、手を変え品を変え、味はそのままで色々な人に伝えていけるお菓子や製品を今日も作ります。